ロンChanとダラダクラピ

子宮体癌で子宮および卵巣を摘出をしました。開腹手術の体験記を中心に、日々の感想を。

子宮体癌 摘出手術の病院選び

もうとっくに開腹手術にて子宮摘出して(単純子宮全摘出術+両側付属器摘出)9日間の入院期間(術後7日)で退院しているのだけど、やっぱり癌専門病院にするべきだったのでは無いか、腹腔鏡下手術も対応している病院にすれば良かったのでは無いのかと、今でも後悔というほどでは無いけど考える事はある。

※この記事は悩んだ事をダラダラ書いてあるだけで、選び方の指南が書かれているわけでは無いです。あくまでも自分調べなので間違いがあっても責任を負えません。

もくじ

私の子宮体癌 病院選択

入院前までの経過編にも書いたけど、子宮体癌と告知されてから大学病院に行くまで8日間。手術する病院を決めたのは実質2日間でした。 

ronchan3.hatenablog.com

A大学病院か、B大学病院、どちらもいい先生だ。希望があるなら B’大学病院に紹介状を出せるから家族と話し合ってと言われたものの、

  • A大学病院
    • 超有名大手な病院、混んでそう
    • 通うなら電車+バス、タクシーなら30分かかる
    • クリニック経由で予約、○日に来て下さいと回答をもらってから。腺癌陽性が出ているのでたぶん大丈夫だが断られる場合があるらしい
    • パートの休みの調整もつけにくいのに、希望の日に予約が取りにくいのかもしれないし、実際に病院に行けるのが少しだけ遅くなるようだ
    • もちろん他の先生もいるが、□□先生は良い先生と言われたお名前をホームページで見てみると、週1回しか来ない
  • B大学病院
    • 今回言われるまでどこにあるのかすら知らなかったけど、一応有名大手な病院らしい。やっぱり混んでるみたいだが、A大学病院ほどでは無いだろう(これは勝手な予想で外来はすごい混んでた)
    • 通うなら電車+バス、タクシーなら20分程度か
    • 初診は予約できないので直接○○先生がいる曜日に行く(週3日)
    • ホームページでチェックすると○○先生のお写真の第一印象が良くない(ただの生理的な印象というか”直感”)
  • B'大学病院
    • B大学病院の系列。電車で通えない事は無いが、ちょっと遠いので却下された

・B大学病院なら直接行きたい日に予約を待たずに行ける
・こちらの方がA大学病院に比べれば自宅からも夫の会社にもやや近い

という訳で予約が無いとかなり待たされるだろう事は重々承知で、何度も通う事になるのだから・何かあった時に行きやすい、比較して近い方であるB大学病院に2日間で決めてしまった。 

ここでもっと時間をかけるべきだったのだろうか。
このスピード感でも結局子宮体癌発覚から、手術まで2ヶ月も経過したのだ。
検討する時間をかければかけるほど、取ってしまって安心するまで時間がかかるのだ。(と、自分を正当化)

そういえばA・Bの大学病院以外にも、クリニックと自宅の近くにも別の「地域がん診療連携拠点病院」もあったのに、そこは紹介状の選択肢に入っていなかった。何故なのかは特に聞いてない。ここで出ている大学病院はもちろん「地域がん診療連携拠点病院」。

がん診療連携拠点病院などを探す:[国立がん研究センター がん情報サービス]

大部屋か個室か

大部屋か個室かについてはあまり悩まずに、大部屋を選択。夫には個室にしても良いと言われていた

  • 初めての入院なので大部屋を体験してみたい
  • 個室で深夜に物音とかしたら怖い
  • 術後の(退院後の)病理検査の結果でやっぱりリンパにもあったとか再発で、抗がん剤等の追加治療や再入院がある可能性もゼロでは無い、
    今回どうしても大部屋がつらかったら次回は個室に

今回 大部屋→次回 大部屋 or 個室ならいいけど、
今回 個室→次回は予算が無いから大部屋になるのは、入院時の不快感が増しそうだし

病院を決め、手術日も決まった後に情報を知って悩む

 子宮体癌を告知された後に読んだ本のレビューにも書いたが、インターネットで情報を調べてはいたけれど、本を買ったり借りたりしたのは、大学病院を受診してから。

そしてそこで初めて自分のような初期の子宮体癌なら、保険適応で腹腔鏡下子宮体癌根治手術の対象ではあることを知り、

がん研有明病院や国立がん研究センターといったような癌専門病院の存在を意識する。

後から調べてわかったのだけど、私の最寄り病院の選択肢ではどちらの病院も良性腫瘍には腹腔鏡術式の実績はあるが、子宮体癌での実績はない。もう一方の選択肢であった有名な大手大学病院ですら実施していないのだから、保険適応になってから4年も経つけど、まだメジャーでは無いんだな。という感覚にはなった。

がん研有明病院や別のもうちょい遠い行けないことも無い病院では腹腔鏡手術をする事ができるようだ。

自分の決定した病院は実績はそれほど多い方じゃない事もモヤモヤする。

手術数でわかるいい病院 2017 (← amazon)
amazonでのレビューを見て、あえてちょっと古い

手術数でわかる いい病院2016 (← amazon)
を図書館で借りてみました。元々自分の通っている大学病院の数は病院のホームページを彷徨って探してわかってはいる上にトップ○○位に入らないと本には載らなかったりするから、なんとなく立ち位置はわかったようなわからなかったような。少ないよりは安心だけど、数が多ければいいってもんでも無いよねっと自分に言い聞かせつつ。

ちなみにこちらでも一応実績件数はわかったりするが、ちょっと検索しにくいしデータ読み取りも分かりづらいかも

がん統計[国立がん研究センター がん情報サービス]

 

さらに退院後に改めていろんな情報を調べていた際に、
子宮体がんの手術とセンチネルリンパ節生検(改訂) -婦人科-|慶應義塾大学病院 KOMPAS
という情報を見つけてしまい、慶應義塾大学病院という選択肢もあったのでは無いか。と思ってしまった。


こんなにゴタゴタ有明だ慶応だ、○○病院だったかもと考えてしまうのは首都圏に住んでいて、通おうと思えば通えてしまうからかもしれない。

 

子宮体癌 腹腔鏡下手術のメリットとデメリット

腹腔鏡下で手術をするなら、ガイドラインでは以下のようになっている。

日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 または日本内視鏡外科学会技術認定医と日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医を加えたチームまたは指導体制により術式の決定および手術を行うのが望ましい

 

「患者さんとご家族のための子宮頸がん子宮体がん卵巣がん治療ガイドライン 第2版」 掲載の
「子宮体がん治療ガイドライン 2013年版」抜粋の引用

amazon患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン

楽天ブックス患者さんとご家族のための子宮頚がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン第2版 [ 日本婦人科腫瘍学会 ]

初期子宮体癌ではかつて先進医療だった名残なのか、またはもうちょっと進行している or 別の部位の癌でも場合によっては「先進医療または自由診療」(自費-がん保険等によっては対応してたり?)だからか(偏見です)、デメリットをほとんど記載せず、腹腔鏡をプッシュしてるホームページがあったりする。

開腹だと20~40cm切るけど、腹腔鏡ならこんなに目立たない!みたいに絵や写真を並べたりするところもあったが、自分の開腹手術は15cmだった。術後の回復スピード等が腹腔鏡にかなわない事には代わりないけど、いたずらにビビらせるような表現は良くないと思う(もちろん20~40cm切らなきゃいけない人も存在するだろうが)

とりあえず自分が調べた限りのメリットとデメリット
自分が選択しなかったのでデメリットを多めに書いているが、入院日数が短い・傷跡が目立たない等のメリットはとても大きいと思う。

  • メリット
    • 回復が早く退院も早い、退院後の回復も早い
    • 手術痕が目立たない
    • 手の入れられない狭い箇所を含めて拡大するのでより細かく見られたり、緻密な作業ができたり  など
  • デメリット
    • 保険対応でも開腹より高くなる?
    • できる病院が限られている
    • 治療実績が(まだ)少ない=技術力が不安
    • 長時間の手術となる事がある
    • 視野が限られるので(見ようとスコープを移動させなければ)見ない場所もあることも=カメラの死角
      →腹膜播種があった際に見落とす場合がある等
    • 触覚でチェックできない
    • ごく希だけど、トロカー挿入部転移の可能性や機器経由や術式要因の癌細胞の散布   など

 

癌専門病院じゃなくて良かったのか?

というか結局転院はせずにそのまま予定通りの病院で摘出したので、自ずと自分の選択を肯定する方向で考える。

子宮体癌を告知された後に読んだ本のレビューでも言及したように、やっぱり説明が丁寧な(本だから当たり前かもしれないが、各本のなかでもスッと入りやすかったのは癌研有明 or 出身者の本だった)「がん研有明病院 婦人科」に入院してみたかったというのは今でもある。

勢いで2日で決めた病院の先生は良くも悪くもテキパキしすぎていて、話しにくいタイプだったので、その意味でも転院は大いに意識した。


遠くて見舞いも(洗濯ものの引き取りとか手術立ち会いも)不便な癌専門病院にするべきだったのか、腹腔鏡下手術対応の病院を選ぶべきだったのか、術後数ヶ月経った今でも正解はわからない・・・

転院前提のセカンドオピニオンを依頼するとして
・主治医にセカンドオピニオンをするという話をする予約
セカンドオピニオン先の予約
MRI画像データなどセカンドオピニオンセットを入手
・転院先で受診
・転院先で手術の予約、追加検査
みたいな感じになるのだろうか。

参考:セカンドオピニオン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

たとえば がん研有明病院の場合の日数→治療待ち日数|がん研有明病院

この間に元の手術予定日から、さらに何週間か遅くなってしまうのでは無いだろうか。いくら進行が遅いらしい子宮体癌でも、ただでさえ発覚から二か月後の摘出で(この間に転移したらどうすんだとか、落ち込んだりとか)モヤモヤした日々をすごしてたのにそれをさらに延長する形になるのはどうだろうか、

このストレスからは早く解放されたい(手術そのものも怖くてストレスだけど)と、最初に選択した病院のままにして転院は断念する事にした。

せめて転院を前提としないセカンドオピニオンだけでもするべきかと少し考えたが、安くは無い費用はかかるし初期である事は変わらないだろうからそれも断念した。

 

産婦人科病棟での入院

大部屋にはトイレが無かったのもあって、それだけじゃないけど廊下等に出る機会は意外と多かったが、

点滴が取れるまでは無理せずノーブラで過ごし(もちろんその上には病院レンタルの前開き寝間着は着てる)お見舞い・手術立ち合い待機等で男性は出入りしているので100%無防備にはできないが(手術直後はまぁそれどころでは無かったが)
気をあまり遣わない女性ばかりの病棟でよかったなと。
※大学病院なのである棟のある階がそうだったというだけだが

この辺は、癌研等の婦人科でもいっしょなのかな?よく分からないけど。

 

いろんな方のブログを読むと子宮を取ってしまうのに出産前後の母子がいるのはストレスだという方もいたが、自分は卵巣摘出前から早めの更年期がやってきていたのもあってか、その辺のストレスは特に感じず。同室の人が腹腔鏡の子宮筋腫摘出だけっぽいのを感じ取り軽く「ちぇっ、うらやましい」とは思ったけど。

むしろ経験が無かったのでそういった産科の病室も(トイレやシャワーの際に通りすがりで見えちゃうの)でチラ見しちゃったりしつつ、赤ちゃんのいる部屋が見えそうで見えなかったり、「お母さん」はオヤツまで献立に入ってるなぁとか献立表を見てみたり、というのはある意味楽しかった。

 

癌研などであれば、産科は無いので気が楽という体験談も見た。家から遠いと術前説明や手術の立ち会い等で家族も大変。退院後の検診に通うのも大変だし、抗がん剤は転院させられたりすることもあるのだろうか。

この辺は本人のストレス具合とか住んでる所とかケースバイケースだろうなぁ。

 

ネットで腹帯を探したら関連商品にお産むけ準備商品が出てきちゃうぐらいなので、細かい事でストレス感じてたらキリが無い。

というか、術後の生活の参考に「帝王切開 自転車」みたいなキーワードで検索して積極的に情報を取り入れている。

乳がんなどに比べると子宮体癌の人が少ないので自分にばっちり合致する情報が少ないというのもある。(同じ体癌でもステージやら時期などが違う方が多かったり、術前に既に読み終わってたり) 。

 

おわりに 

私は初期ゆえに良くも悪くもリンパ節はサンプリングのみで郭清されておらず、後遺症は少ないが本当にそれで良かったのだろうか(サンプリングしなかった所に残っているのでは無いか)、本当に追加化学療法は不要だったのか。等心配は残っている。

癌研またはその他癌専門病院だったら、術式も術後の対応も少し違ったのだろうか。